春の魔法!日本の桜とお花見文化のすべて 歴史と基礎知識【前編】

日本の春といえば、何と言っても「桜」です。
3月下旬から4月にかけて、日本中の景色が薄いピンク色に染まるこの季節は、日本で暮らす外国人にとっても1年で最も美しく、エキサイティングな時期と言えるでしょう。
海外でも「Japan = Sakura」というイメージは定着していますが、日本人が桜に対して抱く情熱は、単なる「綺麗なお花が好き」というレベルを遥かに超えています。
前編と後編の2回に分けて、日本のお花見についてご紹介します!
1.【お花見の歴史】最初は「梅」だった?
日本の「お花見」の歴史は、今から1300年以上前の奈良時代(8世紀頃)にまで遡ります。 実は、当時の貴族たちが愛してやまなかった花は、桜ではなく中国から伝わった「梅」でした。
しかし、平安時代(9世紀以降)になると、日本古来の花である「桜」の人気が逆転します。
貴族たちは桜の木の下で詩を詠み、お酒を飲む優雅なパーティーを開くようになりました。
これが現在のお花見のルーツです。
一般の人々(庶民)がシートを敷いてワイワイと楽しむ、現在のピクニックのようなスタイルになったのは、江戸時代(17世紀頃)だと言われています。

2.桜は1種類じゃない!知っておきたい3つの品種
日本には数百種類の桜がありますが、街や公園で見かける桜にはいくつかの代表的な種類があります。
形や咲く時期が違うので、見比べてみてください。
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ソメイヨシノ
日本の桜の約80%を占める、最も有名な品種です。
葉っぱが出る前に、薄いピンク色の花だけが一斉に咲くため、木全体がピンク色に染まるのが特徴です。
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シダレザクラ
枝が柳のように下に向かって垂れ下がっている桜です。
古いお寺や神社に植えられていることが多く、非常にエレガントで伝統的な美しさがあります。
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ヤエザクラ
ソメイヨシノが散った後、4月中旬頃に咲く桜です。
花びらが何枚も重なっていて、ふわふわとした丸い形をしています。色は濃いピンク色です。
3.日本中が熱狂する「桜前線」
毎年2月や3月になると、日本のテレビの天気予報では毎日のように「桜の開花予想」がトップニュースになります。
日本の桜は、暖かい南の沖縄1月下旬から咲き始め、少しずつ北の北海道5月上旬に向かって開花していきます。この開花の動きのラインを「桜前線」と呼びます。
「東京の開花はいつか?」「今週末は満開になるか?」と、日本中の人がニュースをチェックして、お花見パーティーのスケジュールを調整するのです。

4.昼と夜で違う顔。「夜桜」の魔法
お花見は昼間だけではありません。
夜になると、多くの公園や川沿いの桜がライトアップされます。
これを「夜桜」と呼びます。
紙でできた伝統的なランプ「提灯」に照らされた桜は、昼間とは全く違う、幻想的でミステリアスな美しさがあります。
仕事帰りに同僚と夜桜を見ながらビールを飲むのは、日本のビジネスパーソンにとって最高の楽しみの一つです。
ただし、春の夜はとても冷え込むので、暖かいコートが必須です!

5.なぜ日本人はこれほど桜を愛するのか?
桜が特別な最大の理由は、その命の短さにあります。
花が咲き始めてから約1週間で満開になり、その後すぐに春の嵐や雨によって散ってしまいます。
日本人の心の中には、「永遠に続くものよりも、すぐに消えてしまう儚いものに美しさを感じる」という精神性があります。
また、桜が散る3月〜4月は、日本の学校や企業の「卒業」と「新しいスタート」の季節でもあります。
桜の花びらが風に舞う風景は、出会いと別れの少し切ない思い出と強く結びついているのです。

6.おすすめ!日本の絶景お花見スポット
日本全国に数え切れないほどの桜の名所がありますが、初めての春を迎える外国人の方に特におすすめしたい、タイプの違う3つのスポットをご紹介します。
①【新宿御苑】静かにピクニックを楽しみたい人へ
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特徴
東京の中心にありながら、広大で美しい芝生が広がる公園です。
約60種類もの桜が植えられているため、長期間にわたって色々な桜を楽しめるのが魅力です。
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おすすめポイント
この公園は「アルコール持ち込み禁止(No Alcohol)」です。
そのため、日本の伝統的な大騒ぎするお花見ではなく、静かで平和なピクニックを楽しみたい人や家族連れに最適です。

②【目黒川】ロマンチックな「夜桜」を歩いて楽しむ
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特徴
川沿いの約4キロメートルにわたり、約800本の桜のアーチが続きます。
シートを敷いて座る場所はないため、歩きながら景色を楽しむ「散策スタイル」のスポットです。
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おすすめポイント
夜になるとピンク色の提灯が灯り、川の水面に桜が反射する景色は息を呑むほどの美しさです。
仕事帰りのデートや、写真撮影に最高の場所です。

③【哲学の道】日本の伝統と歴史を感じる
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特徴
京都の銀閣寺から続く、約2キロメートルの小さな水路沿いの道です。
日本の伝統的な家屋やお寺の風景と、桜の組み合わせが楽しめます。
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おすすめポイント
古都・京都ならではの静寂でノスタルジックな雰囲気を味わえます。
風で散った桜の花びらが水路の表面をピンク色に染める「花筏」と呼ばれる美しい現象を見ることもできます。

まとめ
桜の背景にあるストーリーや名所を知ると、景色がもっと美しく見えてきませんか?
次回(後編)では、実際に公園で「お花見パーティー」をするための必須アイテムや、絶対に守るべき日本の厳格な「お花見マナー(公園でのルール)」などご紹介します!お楽しみに!


