あそぶ
2025.10.06

日本のマンガ・アニメの紹介 〜東京と「呪術廻戦」- 現実とフィクションが交錯(こうさ)する都市〜

日本の漫画(まんが)やアニメは、国(こくない)だけでなく、世界中の人々を魅了(みりょう)する一大文化(いちだいぶんか)となっています。

 

緻密(ちみつ)なストーリー構成(こうせい)や、キャラクターの繊細(せんさい)な心理描写(しんりびょうしゃ)、そしてビジュアルの美しさは、多くの国で高い評価(ひょうか)を受けています。近年(きんねん)では、NetflixやCrunchyrollなどの配信(はいしん)サービスを通して、海外でも日本とほぼ同時に最新(さいしん)アニメを楽しむことができるようになり、ファン層(そう)はますます広がりを見せています。

今回は、その中でも特に人気を集める作品のひとつ、「呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)」をご紹介します。

 

人気アニメ・漫画「呪術廻戦」は、現代の日本を舞台(ぶたい)に、人間の負(ふ)の感情(かんじょう)から生まれる「呪(のろ)い」と、独特(どくとく)な「術式(じゅつしき)」や「呪力(じゅりょく)」で呪いをを祓(はら)う「呪術師(じゅじゅつし)」たちの戦(たたか)いを描(えが)いたダークファンタジー作品です。また、呪術師は呪いを操(あやつ)る「呪詛師(じゅそし)」とも戦うので、人間対人間のドラマも巧妙(こうみょう)に描かれています。

 

物語の主な舞台は、日本の首都(しゅと)・東京です。本作における東京は、単なる背景(はいけい)ではなく、人口密度(じんこうみつど)の高さから「呪いが多く生まれ、集まる場所」として、物語と強く結(むす)びついています。

呪いが集まる場所、東京

「呪術廻戦」の世界では、人々の負(ふ)の感情(かんじょう)が「呪霊(じゅれい)」となってあらわれます。そのため人口(じんこう)が多く、人間関係(にんげんかんけい)の摩擦(まさつ)やストレスが多い都市ほど、呪いが発生(はっせい)しやすい設定(せってい)です。

 

「呪術廻戦」が多くの読者(どくしゃ)・視聴者(しちょうしゃ)に支持(しじ)される理由の一つは、単なるファンタジーではなく、現代社会に潜(ひそ)む「呪い」を可視化(かしか)している点にあります。作中の呪い・呪霊は大多数(だいたすう)の人間には見えない設定になっており、そのため物語に没入(ぼつにゅう)しやすく、世界観(せかいかん)がより現実味(げんじつみ)のあるものとして感じられます。

 

作中では、呪い、呪詛師、呪術師は古くから存在している設定ですが、物語は現代社会における呪いに特に焦点(しょうてん)を当てています。現代人(げんだいじん)が抱(かか)える苦しみを「呪い」という形で描き出し、それを現実の都市・東京に結びつけているのです。

実在の東京スポットとのリンク

「呪術廻戦」には、実際(じっさい)の東京の地名や風景(ふうけい)が数多(かずおお)く登場(とうじょう)します。

 渋谷 (しぶや)

渋谷を舞台にした「渋谷事変」編(へん)では、スクランブル交差点(こうさてん)や渋谷駅構内(しぶやえきこうない)など、現実の東京が忠実(ちゅうじつ)に再現(さいげん)されており、ファンの間で「聖地巡礼(せいちじゅんれい)スポット」として高い人気を集めています。

 

作中では駅構内での戦闘(せんとう)シーンも多く、実際に訪(おとず)れると「あの場所だ!」と感じられる場面がいくつもあります。以下はいくつかの代表的(だいひょうてき)な例です。

★ 渋谷駅・副都心線(ふくとしんせん)ホーム

特級呪霊・花御(はなみ)が植物(しょくぶつ)でホームを閉鎖(へいさ)した場所、そして最強の呪術師・五条悟が「獄門疆(ごくもんきょう)」に封印(ふういん)された場所として登場し、「渋谷事変」の主要(しゅよう)なシーンのひとつとなりました。アニメでも印象的(いんしょうてき)に描かれており、ファンの間では「聖地」として知られています。

★ 渋谷ヒカリエ1改札(かいさつ)のコンコース

虎杖悠仁(いたどりゆうじ)と脹相(ちょうそう)の激闘(げきとう)が繰(く)り広げられた場所です。現実の渋谷ヒカリエ周辺(しゅうへん)の構造(こうぞう)がリアリスティックに再現されており、臨場感(りんじょうかん)のある戦闘シーンが話題(わだい)になりました。

 新宿 (しんじゅく)

新宿にある某有名(ぼうゆうめい)チキンショップの前は、夏油傑(げとうすぐる)がかつての親友・五条悟(ごじょうさとる)に背を向け、去(さ)っていく場所です。

 

ここで夏油の離反(りはん)が確定(かくてい)し、夏油は呪詛師として、五条は呪術師として、それぞれ真逆(まぎゃく)の道を生きていくことになることが決定しました。2人の絆(きずな)が完全に断(た)たれた場所ファンにとってはとても切ない聖地です。

 竹下通り (たけしたどおり)

作中には実際に登場しませんが、映画「呪術廻戦0」でキャラクター同士の間で話題に出る、原宿(はらじゅく)の「竹下通り」。

 

離反後の夏油が新たな仲間を引き連れ、呪術師たちに宣戦布告(せんせんふこく)するために五条と生徒(せいと)たちの前に姿(すがた)をあらわします。このときは戦いにはならず、夏油の仲間の一部が竹下通りのクレープを食べたいらしいため、「お店が閉まってしまうから」という理由で一時撤退(いちじてったい)します。敵(てき)であるはずの五条に行き先を伝えてしまうなど、夏油たちの余裕(よゆう)を感じさせるやりとりも印象的です。

 

どのクレープ店を指(さ)しているのかは明確(めいかく)ではありませんが、竹下通りを歩きながら「このお店かな?」と想像(そうぞう)してみるのも、ファンならではの楽しみ方でしょう。

 架空の地名もあり

作中に登場(とうじょう)するすべての地名が実在するわけではないので、聖地巡礼に行く際(さい)にはご注意を。

 

主人公の「虎杖悠仁」たちが所属(しょぞく)する「東京都立呪術高等専門学校(とうきょうとりつじゅじゅつこうとうせんもんがっこう)」は、都内の山奥(やまおく)にある「筵山麓(むしろやまふもと)」という架空(かくう)の地にあるとされています。実際にモデルとなった場所は不明ですが、さまざまな寺社仏閣(じんじゃぶっかく)が立ち並(なら)び、それに混(ま)ざり一般的な校舎(こうしゃ)や学生寮(がくせいりょう)などの風景も見られます。

 

学校自体も、架空のものですが、表向(おもてむ)きには「全寮制(ぜんりょうせい)の宗教系(しゅうきょうけい)の学校」とされているので、もしかしたら高専のような学校も、そのように現実世界に潜んでいるのかもしれませんね。

呪術廻戦を読んだり、観てみよう!

 

アニメ第1期オープニング主題歌(しゅだいか)「廻廻奇譚」Eve

 

漫画はすでに完結(かんけつ)していますので、一気(いっき)に物語を楽しみたい方は、単行本(たんこうぼん)での拝読(はいどく)や公式(こうしき)のオンライン配信(はいしん)サービスを利用されることをおすすめします。

 

アニメは第3期が2026年に放送予定(ほうそうよてい)ですが、現在は第2期までが公開されており、さらに劇場版(げきじょうばん)「呪術廻戦 0」も上映済(じょうえいず)みです。

 

もし、物語の時系列順(じけいれつじゅん)に観たい場合は、
「第2期1クール」 → 「呪術廻戦 0」 → 「第1期」 → 「第2期2クール」
の順番(じゅんばん)で視聴(しちょう)すると、ストーリーの流れやキャラクターたちの関係性(かんけいせい)をより深く理解(りかい)できるでしょう。

 

もちろん、リリース順に観(み)る楽しみ方もありますので、お好みの順番でお楽しみください!

グッズ・コラボレーション

キャラクターグッズを手に入れたい方や、コラボイベントに興味(きょうみ)がある方も多いでしょう。

コラボ・ポップアップショップ

過去には、スカイツリーでのコラボイベント「呪術廻廊(じゅじゅつかいろう)」が2024年に開催され、作品の世界観を体感できる展示(てんじ)や限定(げんてい)グッズの販売(はんばい)が行われました。

 

一方、ポップアップショップは期間限定(きかんげんてい)で特定(とくてい)の場所に出店する小規模(しょうきぼ)な販売イベントで、ここでしか手に入らない限定商品やイベント限定の特典(とくてん)が用意されることが多く、ファンにとって貴重(きちょう)な機会(きかい)です。

 

さらに、全国にあるガチャガチャや、コンビニで手に入る一般商品とのコラボも頻繁(ひんぱん)に行われており、幅広(はばひろ)くコラボレーションを楽しむことができます。

グッズショップ

「アニメイト」ではさまざまなアニメ・ゲーム・漫画のグッズが常時(じょうじ)販売されており、大都市を中心に店舗(てんぽ)があります。東京では「秋葉原(あきはばら)」、「東京キャラクターストリート」、「中野ブロードウェイ」などグッズが求めやすいお店がたくさん並んだ場所がいくつもあります。

まとめ

 

「呪術廻戦」において東京は、単なる背景ではなく、人間の感情・社会の歪(ゆが)み・そして希望(きぼう)を同時に抱(かか)える、物語の一部として描かれています。

 

現実世界の街(まち)を歩くとき、私たちが日常の中に感じるストレスや孤独も、もしかすると「呪い」の一種(いっしゅ)なのかもしれません。だからこそ、「呪術廻戦」の世界は私たちのすぐ隣(となり)にあるように感じられるのかもしれませんね。

 

その感覚に浸(ひた)ったり、東京を違(ちが)った視点(してん)で冒険(ぼうけん)してみるためにも、聖地巡(せいちめぐ)りやイベント・グッズ探しなどをしてみても楽しいかもしれません。

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